祖母
4月20日。
父方の祖母の命日である。
と言っても、45年も前に亡くなったおばあさんの記憶は、あまりない。
黒飴が好きだったのか、大事に手に入れてもらったことがある。
亡くなる数日前ではなかっただろうか。
又、小さい頃に聞いた話では、自分の娘の嫁ぎ先や、所帯を持った息子の家に行き、白いかっぽう着に着替え、すうっと人差し指で障子の桟を拭うという、きれい好きなしっかり者のおばあさんだったらしい。
そういう話を聞いたと云う記憶がまだ私にも残っているが、それは、覚えていた事があるという記憶であり、どこかで真実とは異なっているのかもしれないが、今はもうあの立派だと言われていたおばあさんの話を聞く事はなくなった。
ただ、命日だけはよく覚えている。
実家に帰ると、写真が飾られている。
小さい頃よく言われた。
私はおばあさんによく似ているらしい。
確かに、似ている。
ちょっと光栄です。